« 第12回 領収書の山 | メイン | 第14回 売掛金管理 »

2005年10月17日

第13回 証憑書類の保存義務

確定申告も無事に終わり、申告に使用した決算書や帳簿類は当然保管するとして、会計ソフトの入力や手書き記帳に使った領収書や請求書...みなさんは、どうされていますか?
まさか、捨ててしまう人はいないと思いますが、これらも7年間の保存義務があることはご存知でしょうか。

私はモノを捨てられない性質なので、保存義務があってもなくても保存していたと思いますが、7年の保存義務ということは、もしかしたら知らずにいたかもしれない...そのくらい、あまり話題にならないことのような気がします。

ちなみに、これら事実を証明する根拠となる書類のことを証憑(しょうひょう)書類といいます。

今回は、会計ソフトとはあまり関係ありませんが、この証憑書類の保存についてお話したいと思います。

まず最初に、証憑書類にはどんなものがあるのでしょうか。
ざっと思いつくままに上げてみると、領収書・納品書・請求書・見積書・契約書・注文書・送り状・支払証明書...つまり、事業をしていて発生する全ての書類と考えていいでしょう。

次に、これらを何のために保存するかということです。
契約書や見積書、注文書等、取引先との契約に関するものは、その取引先とのトラブル防止や、万が一トラブルになった場合の証拠として保存は当然です。
しかし、それだけではありません。
確定申告というのは自主申告ですから、不正をしようと思えばできてしまうわけで、そのために税務調査というものがあります。つまり、申告内容が適正かどうか、税務署が調べに来るわけです。

私が、初めて青色申告した時のことです。
その時は、なにもわからなかったので、税務署の申告相談窓口を利用しました。
たいした仕事はしてませんでしたが、それでも、手書きで帳簿をつけ、決算書を作成し、提出書類の他に帳簿や領収書、通帳など証憑書類一式を持参しました。
その場で、申告内容が正しいかどうか調べられると思っていたのです。
もう、ドキドキです。
ところが、長い時間待たされて、やっと順番が来たと思ったら、相談員の人は、決算書をさっと見て、2、3質問をして、申告書の未記入欄に記入する内容を教えてくれて、持参した書類の出番もなく、あっさり終わってしまいました。

申告時は、いっさい調査はありません。
これは、けっこう勘違いしている人が多いようで、隣の相談窓口に来ていたおじさんも、いかに自分の申告が正しいかということを力説して、相談員の人に、
「そんなことは聞いていないので、言わなくていいです。」
と叱られていました。

この経験で、私もちょっと勘違いをしました
決算書の数字がちょっとくらい違っていてもわかりゃしないのだから、確定申告なんて気楽でいい。
これは、大間違いです。
税務調査は忘れた頃にやってきます。
その時には、帳簿の他に証憑書類一式の提示を求められます。

私は税務調査の経験はないので、詳しいことはよくわかりませんが、とにかく「全部保存しなさい」ということなので、ちゃんと保存することにしましょう。

そこで、保存の方法ですが、困るのが領収書やレシートなど、サイズもバラバラの紙片達です。
どさっと、封筒か何かに入れておいてもいいのかもしれませんが、せっかく、会計ソフトに入力したのですから、入力したデータと照合できるようにしておきたいものです。

ちなみに、私はA4コピー用紙に貼り封筒へ入れて保存しています。
ちょっと面倒ではありますが、1枚ずつ入力までしているので、入力完了ということで台紙に貼っておくと、未入力のものと混ざることもなく、オススメです。

領収書の山(家計用も混ざっている)
Image_013_1.gif

A4コピー用紙に貼ったところ(事業用のみ)
Image_013_2.gif

さて、次回は「IJssel会計」に戻り、最も質問の多い売掛管理についてお話したいと思います。

投稿者 IJssel : 2005年10月17日 10:00

コメント

証憑書類の保存期間が7年というのは初めて知りました。まったくの素人なので判り安いので助かります。

投稿者 菊池英雄 : 2006年01月08日 21:22