« 第10回 MS-Accessな訳 | メイン | 第12回 領収書の山 »

2005年10月03日

第11回 大事な大事なデータファイル

会計ソフトに限らず、多くのソフトウェアはプログラムデータから構成されます。

プログラムを作るのが我々プログラマの仕事であり、データを作るのはユーザです。
プログラムが提供され、そのプログラムを使うユーザの手によってデータが作成されるわけです。

このプログラムやデータはファイルという形で、HDD(ハードディスクドライブ)等の記憶媒体に格納されているのですが、何かのアクシデントによりこれらのファイルが無くなってしまったらどうでしょう。
プログラムは再インストールすれば済みますが、データは影も形もなくなってしまいます。大変です。
ですから、貴重な時間と手間をかけて作成した大事なデータは、ユーザが自分で守らなくてはいけません。

「IJssel会計」では、ユーザの皆さんが自分で自分のデータを守ることができるように、ということを重視して設計しています。
今回は、この「IJssel会計」のデータファイル管理機能についてお話ししましょう。

「IJssel会計」の設計をする時、一番最初に考えたことは、データファイルをユーザの目に見えるようにするということでした。

みなさんも、パソコンでいろいろなソフトを使っていると思いますが、この中には、データを格納したファイルがユーザの目に見えるものと見えないものがあります。

前者は、Excel(エクセル)Word(ワード)など、エディタ系ソフトです。
エディタ系ソフトは、言い換えればファイルを作成するためのソフトですから、ユーザが作成したデータ(シートやドキュメント)は、ユーザがファイル名をつけてフォルダを指定して保存します。

これに対し、みなさんがよく利用されるブラウザ(Internet Explorer等)メーラ(Outlook Express等)では、ユーザが登録したお気に入りや、送受信したメールがどこにどのように保存されているかを意識することはありません。

データファイルが目に見えると、コピーしたり移動したり圧縮したりメールに添付して送ったりということができますね。
別のパソコンで作業の続きをするということも簡単にできます。

しかし、データファイルが目に見えないと、そのデータはそのパソコンのそのソフトでしか扱うことができません。
別のパソコンで、インターネットにアクセスした時に、お気に入りがなくて不便な思いをした経験はよくあることだと思います。

「IJssel会計」では、MS-Accessを採用した段階で、データを一つのファイルで扱うことが可能となるのですが、さらに、その大事なデータをユーザが自由に管理できるようにしたいと考えました。
なぜかと言えば、私自身がそうしたいからです。

ですので、「IJssel会計」をダウンロードして起動すると、最初にデータファイルを作成していただくことになります。
そして、このデータファイルをプログラムから接続して利用します。

具体的なデータファイル管理機能につきましては、ソフトを見ていただけばわかりますので、ここでは書きませんが、機能のメニューはこんな感じです。

image_011_1.gif


ところで、もう一つ、「IJssel会計」のデータファイルについて重要なことがあります。
それは、一つのファイルは1年分ということです。

会計ソフトを使い始めてから、ずっとデータを蓄積し続けるという方法も考えられます。
そうすれば、過去のデータもその場ですぐに見ることができますし、過去との比較や、前年同月との比較なども可能になります。
また、その気になれば、減価償却計算機能の開発も可能でしょう。

しかし、それをあえてしなかったのは、やはり管理のしやすさを重視したためです。
青色申告ソフトでは、申告が終われば内容は確定し、見ることはあっても変更することはありません
その確定したデータをいつまでも同じファイル内に抱えているよりは、確定と同時にファイルを新しくしてリセットした方が、管理しやすいと考えたわけです。

ですので、もし、「IJssel会計」をご利用いただいていて、過去との比較をされたい場合は、Excel(エクセル)へのエクスポート機能がありますので、各年のデータをエクセルへ移して行っていただければと思います。

さて、具体的なデータファイルの管理方法ですが、まず、データファイルの名前は、わかりやすいように付けて下さい。
私は、例えば2004年度のデータは、[IJF_2004.mdb]とし、そのバックアップファイルは[IJF_2004_BK1.mdb] [IJF_2004_BK2.mdb]としています。
また、1ファイル1年分ですから、決算を完了し申告に使ったデータは[IJF_2004_決算.mdb]として別に保管しています。
過去データを見る時は、[IJF_2004.mdb]を使いますが、うっかりデータが変わってしまっても、[IJF_2004_決算.mdb]があるので安心というわけです。

最後に、一つ「IJssel会計」の便利な利用法を紹介しましょう。

image_011_2.gif 2004年度の決算作業をするのは、2005年になってからですね。
しかし、今年こそ少しずつ入力しておこうということで、2004年の決算作業と並行して2005年の入力作業もしたいという場合があるかもしれません。

このような時は、プログラムファイル[IJssel会計.mde]をコピーして、それぞれに2004年、2005年のデータを接続した状態でデスクトップに置いておきます。
こうすることで、毎回、接続し直すことなく、前年の決算と、今年の入力、両方の作業を行うことができまます。

ちなみに右は私のデスクトップですが、2003年分と2004年分のショートカットを置いています。
2005年分は、まだ何もしていないことがばれてしまいました(笑)。

投稿者 IJssel : 2005年10月03日 10:00

コメント