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2005年09月19日
第9回 SOHO向けということ
前回は、「IJssel会計」が他の会計ソフトとは決定的に違う設計思想についてお話しました。今回は、「IJssel会計」のもう一つの大きな特徴であるSOHO向けということについてお話したいと思います。
ところで、今さらという感じではありますが、SOHOとはスモールオフィス/ホームオフィス[Small Office/Home Office]の略で、独立した小規模事業者及び個人事業者、在宅、副業型ワーカーのことです。
つまり、経理も含めなんでも一人でやってる事業主ということが言えます。
そんなSOHOのための会計ソフトとはどんなものなのでしょうか。
なんでも一人でやっているということは、他者によるチェックが入らないということでもあります。
几帳面な性格の人ばかりではありませんから、本業に忙しく、お金の管理がルーズになっていても、どこからもチェックが入りません。
強いて言えば、年に1度の確定申告が唯一のチェックということかもしれませんね。
それで、毎年大慌てで領収書の山と格闘することになるわけです。
ところで、SOHOの会計と一般企業の会計の違いということですが、私は大きく2点あると思います。
(1)SOHOは公私混同
別に公私混同するつもりはなくても、事業用のお金とプライベートなお金をきっちり分けて管理できる人は、かなり几帳面な人だと思います。
このような人は、あえてSOHO向け会計ソフトにこだわることはないかもしれません。
しかし、事業用の銀行口座を別にしているわけでもなく、クレジットカードを事業用とプライベートに分けているわけでもなく、財布は一つで、そこから夕飯の買い物もすれば、仕事に必要な本も買う。
そもそも、税法のことも詳しくないから、買い物の時に事業用の経費にできるのかどうかも判断できない。
そんな人でも使える会計ソフトを...ということで、「IJssel会計」では、事業用もそうじゃないものも全部入力してしまえ!...ということにしました。
仕訳データの一つ一つに事業用かどうかのタグをつけておいて、決算の時には事業用のタグのついたデータだけを集計するという仕組みです。
ちなみに、「IJssel会計」では、このタグのことを【帳簿】と呼んでいます。
この仕組みにより、一つ大きなメリットが生まれました。
それは、通帳の明細やクレジットカードの利用明細の入力です。
事業用の口座やクレジットカードを別にしていなくても、事業用かどうかを判断しながら選んで入力するのではなく、目の前にある明細と全く同じ内容で入力できるのです。
しかも、残高が合っているかどうかのチェックもできるので、入力ミスの防止にもなります。
このおかげで、前回の「第8回 簿記を知らなくても入力できる」と合わせて、勘定科目も気にせず、事業用かどうかに関係なく、明細そのままを入力できるということで、操作性の面で非常に使いやすくなりました。
ちなみに、下の図は預金通帳の明細に事業用のタグをつけたイメージ図で、「IJssel会計」での入力画面はこちらになります。
(2)自宅で仕事をする特権
SOHOの中でも、事務所を借りずに自宅で仕事をしている場合には、家賃、水道光熱費の一部を経費にできるという特権があります。
あえて特権と書きましたが、これらの生活費は仕事をしてようがしていまいがかかるものなので、経費にして節税できるというのは特権と言ってもいいでしょう。
経費にする金額は、決算の時にまとめて計上しても構わないのですが、せっかくなので、発生時に事業用分を分けられる機能を考えました。
【帳簿間振替】という機能です。
例えばガス代を7552円払って2割の1510円を事業用経費とする場合、普通の会計ソフトでしたら、1510円を入力して摘要で7552円のうちの2割であることがわかるようにしておくわけですが、「IJssel会計」では事業用かどうかに関係なく、預金通帳の入力で「ガス代7552円」を入力してしまいますから、別に仕訳を作成する必要があります。
簿記を知らない人がこの作業をするにはちょっと無理があるので自動化したわけです。
設定がちょっとややこしいかもしれないんですが、私は便利に使ってます。
詳しくは、申告まで時間がない!場合の預金通帳入力の下の方をご覧下さい。
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以上が、「IJssel会計」がSOHO向けであるという特徴です。
特に(1)の事業用かどうかに関係なく全部のデータを入力できるということは、「税務申告さえできればいい」という消極的な目的ばかりでなく、プライベートも含めた個人としての総合的な財務管理が可能になります。
私自身は一応主婦ですので、「IJssel会計」を家計簿としても使ってるのですが、預金通帳と主な領収書入力だけで、1年分の夫の収入や生活費の内訳が簡単に把握でき重宝してます。
そして、この設計思想もまた、開発者である私がSOHOであり、あまり几帳面な性格でもないところから生まれたものだという気がします。
さて、次回からはブログタイトルにある「開発裏話」ということで、「IJssel会計」の中身のお話をしていきたいと思います。
几帳面な性格の人ばかりではありませんから、本業に忙しく、お金の管理がルーズになっていても、どこからもチェックが入りません。
強いて言えば、年に1度の確定申告が唯一のチェックということかもしれませんね。
それで、毎年大慌てで領収書の山と格闘することになるわけです。
ところで、SOHOの会計と一般企業の会計の違いということですが、私は大きく2点あると思います。
(1)SOHOは公私混同
別に公私混同するつもりはなくても、事業用のお金とプライベートなお金をきっちり分けて管理できる人は、かなり几帳面な人だと思います。
このような人は、あえてSOHO向け会計ソフトにこだわることはないかもしれません。
しかし、事業用の銀行口座を別にしているわけでもなく、クレジットカードを事業用とプライベートに分けているわけでもなく、財布は一つで、そこから夕飯の買い物もすれば、仕事に必要な本も買う。
そもそも、税法のことも詳しくないから、買い物の時に事業用の経費にできるのかどうかも判断できない。
そんな人でも使える会計ソフトを...ということで、「IJssel会計」では、事業用もそうじゃないものも全部入力してしまえ!...ということにしました。
仕訳データの一つ一つに事業用かどうかのタグをつけておいて、決算の時には事業用のタグのついたデータだけを集計するという仕組みです。
ちなみに、「IJssel会計」では、このタグのことを【帳簿】と呼んでいます。
この仕組みにより、一つ大きなメリットが生まれました。
それは、通帳の明細やクレジットカードの利用明細の入力です。
事業用の口座やクレジットカードを別にしていなくても、事業用かどうかを判断しながら選んで入力するのではなく、目の前にある明細と全く同じ内容で入力できるのです。
しかも、残高が合っているかどうかのチェックもできるので、入力ミスの防止にもなります。
このおかげで、前回の「第8回 簿記を知らなくても入力できる」と合わせて、勘定科目も気にせず、事業用かどうかに関係なく、明細そのままを入力できるということで、操作性の面で非常に使いやすくなりました。
ちなみに、下の図は預金通帳の明細に事業用のタグをつけたイメージ図で、「IJssel会計」での入力画面はこちらになります。
(2)自宅で仕事をする特権
SOHOの中でも、事務所を借りずに自宅で仕事をしている場合には、家賃、水道光熱費の一部を経費にできるという特権があります。
あえて特権と書きましたが、これらの生活費は仕事をしてようがしていまいがかかるものなので、経費にして節税できるというのは特権と言ってもいいでしょう。
経費にする金額は、決算の時にまとめて計上しても構わないのですが、せっかくなので、発生時に事業用分を分けられる機能を考えました。
【帳簿間振替】という機能です。
例えばガス代を7552円払って2割の1510円を事業用経費とする場合、普通の会計ソフトでしたら、1510円を入力して摘要で7552円のうちの2割であることがわかるようにしておくわけですが、「IJssel会計」では事業用かどうかに関係なく、預金通帳の入力で「ガス代7552円」を入力してしまいますから、別に仕訳を作成する必要があります。
簿記を知らない人がこの作業をするにはちょっと無理があるので自動化したわけです。
設定がちょっとややこしいかもしれないんですが、私は便利に使ってます。
詳しくは、申告まで時間がない!場合の預金通帳入力の下の方をご覧下さい。
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以上が、「IJssel会計」がSOHO向けであるという特徴です。
特に(1)の事業用かどうかに関係なく全部のデータを入力できるということは、「税務申告さえできればいい」という消極的な目的ばかりでなく、プライベートも含めた個人としての総合的な財務管理が可能になります。
私自身は一応主婦ですので、「IJssel会計」を家計簿としても使ってるのですが、預金通帳と主な領収書入力だけで、1年分の夫の収入や生活費の内訳が簡単に把握でき重宝してます。
そして、この設計思想もまた、開発者である私がSOHOであり、あまり几帳面な性格でもないところから生まれたものだという気がします。
さて、次回からはブログタイトルにある「開発裏話」ということで、「IJssel会計」の中身のお話をしていきたいと思います。
投稿者 IJssel : 2005年09月19日 10:00
コメント
すばらしい。現実的。一番の悩みなんですよ。ごちゃごちゃになっちゃうんです。どうしたって。「絶対事業用はこの口座からしか出さない!」て所詮無理なんだもん。いちいち公共料金按分するの手作業で面倒だったし。うちの場合、私が会社員、夫が個人事業主、でもって5月から法人になったのですが、私は役員件会社員のまま。これを乏しい知識でマネージする光明が!
投稿者 Mie : 2006年06月04日 20:13