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2005年08月22日

第5回 経理入門 決算書

前回は、お金の動きの記録仕訳を積み重ねて、機械的に分類すると元帳が作成され、残高合計)が計算されるということをお話しました。
この残高合計)を集計すると決算書が作成され、複式簿記の最終目的である利益を知ることができます。

前回の例では、資産負債費用収益、それぞれの残高合計)は次のようになりました。
image_005_1.gif
これらの残高合計)を一つにまとめてみましょう。
このブログの第1回 経理入門でご紹介した図と同じになったことにお気付きでしょうか。

そして、ここでも借方の合計と貸方の合計が同じになることに注目して下さい。
マジックのような不思議な気持ちになりますが、よく考えれば不思議でもなんでもなく当然の結果であることがわかります。
借方貸方が同じ金額になるように作成した仕訳を積み重ねて、残高を求める時には、借方貸方から同じ金額を引いているのですから、その結果は当然、借方の合計と貸方の合計が同じになるわけです。

しかし、このままでは、肝心の利益がわかりにくいので、費用収益利益分だけずらしてみます。
いかがですか?
収益-費用=利益となり、同時に資産-負債=利益となる様子がご理解いただけると思います。
image_005_2.gif
実は、資産-負債=利益を表す(A)の部分と、収益-費用=利益を表す(B)の部分が、決算書そのものなのです。
(A)の部分を貸借対照表(B)の部分を損益計算書と言います。
そして、(A)貸借対照表は、1月1日(期首)に資産負債の残高がありますから、これも一緒に記載することになっています。
また、(B)損益計算書は、借方貸方ではなく、収益費用利益の順に記載します。

この2種類の決算書によって、利益以外にもいろいろな情報を知ることができるのですが、これは専門家の解説に譲るとして、とにかく、この貸借対照表損益計算書ができれば、青色申告ができます。
そして、「IJssel会計」は、これらの決算書を作成するためのソフトということになります。
image_005_3.gif
さて、ここまで5回に渡り、経理入門ということで複式簿記の原理について簡単に説明してきました。
漠然とでもご理解いただけたでしょうか?

しかし、複式簿記の原理は理解できても、やはり経理は難しいのです。それは何故なのでしょう?
また、世の中にはそれこそたくさんの会計ソフトが存在します。でも、そのソフトを使いこなせずに挫折したという方も多いようです。挫折の原因はどこにあるのでしょうか。

次回からは、
 ・複式簿記の原理は簡単なのに経理が難しいのはなぜ?
 ・会計ソフトを使いこなせない理由は?
 ・難しい経理を簡単にするための「IJssel会計」の設計思想とは?
というお話に移っていきたいと思います。

投稿者 IJssel : 2005年08月22日 10:00

コメント

これは、給与所得か事業所得かの違いということになるかと思います。65万円というのは、給与所得控除のことですね。
税務相談室のお話は、仕事先が2ヶ所以上なら、それは事業というご判断なのでしょう。

事業ということでしたら、やはり青色申告がお得です。青色申告されるのであれば、早めの届けを忘れずに。

それと、住宅ローンの件ですが、我が家の場合、私(妻)の事業所得の経費にするより、夫名義で夫の所得から住宅ローン控除を受けた方が断然お得という結論になりました。ですので、あまりがっかりされることもないかもしれません。

投稿者 IJssel : 2005年08月24日 11:06

アドバイス、ありがとうございます。
いろいろ難しいのですね。

私も税務相談室から聞いた所なのですが、
1ヵ所だけから仕事をもらっている分には
必要経費は65万まで認められると言われました。
仕事先も1ヵ所だけだし、収入も微々たるものでしたので
申告するまでもなかったのですが、
今年から、少し手を広げることにしました。

仕事先が2ヵ所以上になったとたんに必要経費は実費のみと言う。
大体私の仕事は必要経費なんて大してかかりません。
収入はほとんど変わらないのに税金だけが多くなるなんて。
これでは、絶対青色申告だと、決意したわけです。

それなら必要経費も出来るだけ多く、
ということで一番とれそうなのが住宅ローンだったのですが、
どうも甘かったようですね。
地道に帳簿をつけて、青色申告の特別控除をめざします。

その時はIJssel会計のお世話になるつもりですので、
よろしくお願いします。

投稿者 miyata : 2005年08月23日 11:30

光熱費などは、誰の名義で払おうが関係なく経費にできます。
でも、住宅ローンはいろいろ難しい問題があり、簡単にはできません。賃貸ならいいんですけどね。
経費というのは、「誰が払ったか」ではなく、「その事業をするのにどれだけかかったか」なんですよ。

これ以上の税法上の問題となると、ここで私がお答えすることはできません。税理士法違反になるらしいので...。
なので、詳しいことは専門家に聞いてくださいね。

投稿者 IJssel : 2005年08月23日 09:50

毎週楽しみにしています。

私も、来年からしっかり帳簿付けすることにしました。

そこで気になるのが必要経費。
何とか捻出しようと目をつけたのが、住宅ローンや光熱費などの家事関連費。
占有率や使用率などが妥当な数字なら自分の判断でよいとの事ですが、
すべて夫名義の支払いです。
名義はそのままでよいのでしょうか。

投稿者 miyata : 2005年08月22日 20:32