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2005年08月01日

第2回 経理入門 借方と貸方

前回、複式簿記大事な7つの用語のうち5つについて説明しましたので、今回は、残りのわかりにくい2つ借方貸方について説明したいと思います。

まず最初に、天秤ばかりを想像して下さい。
この天秤の左の皿が借方であり、右の皿が貸方です。

複式簿記というのは、この天秤が吊り合うようにお金の動きを記録していくと、利益のみならず、多様な財務情報を知ることができる仕組みなのです。
ちなみに、このお金の動きの記録のことを仕訳といいます。
image_002_1.gif
では、なぜ、天秤の左右の皿を借方貸方と呼ぶのでしょうか?わかりにくいですよね。

私が受講した講習会の講師は、
「意味も理由もありません。そのまま覚えてください」
と言いました。

英語では、借方デビット[Debit]貸方クレジット[Credit]と言います。
通常、クレジットと言えばクレジットカードで、これはお金を借りるのに、なぜ「貸」???
私も最初はよく混乱しました。
この辺がこの用語をわかりにくくしている原因でしょう。
[Credit]を辞書で引いてみますと、「信用貸し」と出ています。
最初に、複式簿記が日本に来た時に和訳をした人が、天秤の右の方が[Credit]と表現されているのを見て、訳すのに「信用貸し」「貸す方」→「貸方」としたのかもしれません。
そして、反対の左の方は、「貸す」の反対で「借りる方」→「借方」です。

以上は余談ですが、大事なのは、天秤が吊り合うということで、便宜上、天秤の左を借方、天秤の右を貸方と呼ぶことにしたと考えてください。

ここで、前回の図を思い出してみましょう。
image_001_1.gif
まず、どの図も、左側(借方)と右側(貸方)の高さが同じということに注目して下さい。

簡単に言うと、1月1日(期首)の天秤が吊り合っている状態(借方貸方が同じ)から、天秤が吊り合うように(借方貸方の金額が同じになるように)お金の動きを記録して積み重ねていくと、12月31日(期末)の天秤も吊り合う(借方貸方が同じ)ということです。
もちろん、12月31日(期末)に限らず、いつの時点においても天秤は吊り合っているはずです。
これが、複式簿記の原理です。
複式簿記複式とは、お金が動いた時に、天秤の左(借方)と右(貸方)、2箇所(複)に同じ金額を記録していくという意味なのです。
ここで、試しに複式簿記を英語でなんと言うのか調べてみました。double-entry bookkeepingです。ダブルで入力する簿記...そのままですね。

さらに、資産費用が左側、負債収益が右側にあるのは、ちゃんと意味があります。
そうです。資産費用借方で、負債収益貸方ということです。

でも、この場合の、借方貸方は、天秤の左と右とはちょっと意味が違います。
そして、ここが複式簿記の絶妙な部分であり、「IJssel会計」の設計に大きく影響を与えたところでもあります。

これについては、次回としたいと思います。

投稿者 IJssel : 2005年08月01日 10:00

コメント

miyataさん、コメントありがとうございます。

65万円の控除というのは、利益からさらに引いてくれるものですから、必要経費が少ないのであれば、ますます青色申告の方がお得ですよ。
また、仮に赤字でも青色申告しておくと、3年間繰り越せます。つまり、今年の赤字分を来年の黒字分から引けるということです。
是非、青色にチャレンジしてみて下さい。

投稿者 IJssel : 2005年08月03日 10:40

分りやすい内容で、毎週楽しみにしています。

来年辺りから、帳簿をつけることを考えています。
初歩的な質問で恥ずかしいのですが、
必要経費がとても65万円に満たすほどありません。
それでも、白色より、しっかりと帳簿をつけた青色の方が
有利でしょうか。

投稿者 miyata : 2005年08月03日 08:05

くるりんさん、コメントありがとうございます。

借方、貸方は、本当に「どっちだっけ?」ですよね。
なので、「IJssel会計」は、この借方、貸方を意識しなくていいように、心血を注ぎました。

これからも、がんばって更新していきますので、応援よろしくお願いいたします。

投稿者 IJssel : 2005年08月02日 10:19

連載、楽しみにしています!

借方と貸方は本当に覚えにくい...。

まさにこれですね。
>「意味も理由もありません。そのまま覚えてください」

申告の準備をするたびに、どっちだっけ?状態です。

今度からはこのページを確認しにきますね^^

投稿者 くるりん : 2005年08月01日 21:26